東京大学 東洋文化研究所 佐藤仁研究室

SATO Jin Lab.

Institute for Advanced Studies on Asia, University of Tokyo

『美日一流大学运营研究』(『教えてみた「米国トップ校」』中国語版)

上海交通大学

佐藤 仁 [著], 万毅 译 [訳]

刊行年月 2017.7.1
ページ数 195ページ
ISBN 9787313287168

『教えてみた「米国トップ校」』中国語版が上梓されました。

 このたび拙著『教えてみた「米国トップ校」』(KADOKAWA, 2017年)の中国語版が上海交通大学出版社から上梓されました。日中関係が政府レベルでどれだけ険悪になっても、国をまたいで留学する学生の数はとどまるところを知りません。むしろ、いまこそ大学を中心とした民間レベルの交流を強化すべきときでしょう。
 本書は、東大とプリンストンで教えてみた経験を「内部観察者」の目線でまとめた体験談であると同時に、一方的な憧れが先行しがちな米国のトップ大学の実態を明らかにする本でもあります。そもそも年間学費が日本円換算で年間1千万円近い欧米のトップ校の経営モデルを、他国が模倣すべきとは思えません。入試も多分に透明性に欠いていることは、最近、ハーバード大学が密かに人種を基準にしてアジア系などを差別していた事実が、米国の最高裁によって憲法違反の判断を受けたことからも明らかです。
 本書は、東京大学の課題についても検討していますが、その力点は、国際的な視野から東大の良さを再発見することでした。そんな本書が、日本以上に世界ランキングに振り回されている中国で翻訳されたというのは、私にとって大変名誉なことです。中国語読者の皆様の反応を楽しみに待ちたいと思います。この場を借りて翻訳の労をとってくださった万毅さんに厚く御礼申し上げます。